PMBOKの真髄とは・・・

PMBOK第3版への改定にあわせプロジェクトマネジメントの講義資料のバージョンアップを行っている。第3版では2000年版に比べいくつかの重要な変更があるのだが、講義をする立場で眺めてみると、PMBOKの本質が統合マネジメントにあることを改めて認識させられる。公式なオーソライズを必要とする3つの主要文書であるプロジェクト憲章、スコープ記述書、プロジェクト計画書。さらにはPMBOKでは主要な文書には規定されていないが、本当はもっと重要でありマネジメントからのオーソライズが必要かもしれないプロジェクト報告書(終了プロセスのアプトプットであるプロジェクト終了文書レベルではなくプロジェクトの経緯、教訓、評価等も記述されているべき総括的な報告書)に至る一連の形式的ともいえるドキュメントを的確にかつ綿密に作り上げられるプロジェクトマネジャの分析的な知的能力を縦糸に、プロジェクト実行の指揮とコントロールと変更管理というプロジェクトマネジャの経験や人間的な魅力に裏打ちされたいわゆる日本的なプロマネ能力を横糸に紡ぎ合わされた統合マネジメントの知識エリアこそが、プロジェクトを織り上げていくプロジェクトマネジャに求められる中心的スキルなのであろう。このあたりを今年の講義やいくつかの企業の研修の中で議論してみたい。