ブロガから見たRSS広告

昨日のエントリーで、インターネット時代のブロガやジャーナリストのフェアネスに関する問題を情報の受け側のリテラシに帰してしまったのは非常に短絡的であったと反省。
本日は、改めて「グーグル、RSS広告の実験を開始--まもなく『公開ベータ版』発表か」という記事を受けて、RSS広告の問題を送り手であるブロガの側から考えてみたい。
Googleのサービスでは情報の送り手がRSSAtomを使って配信するコンテンツに、テキスト広告やバナー広告を追加できるという。昨年9月27日付けのCnetJapanのニュースにもあった「RSS検索エンジンのFeedsterが広告ネットワークのKanoodleとの提携を発表し、キーワードに関連したテキスト広告をニュースフィードに組み込んで配信するサービス」は、ブロガが意識しないうちに、自分のRSSフィードに広告が付いて配信されることという点に関し、「自らのニュースをRSSフィード経由で提供する企業や個人ブロガが、サードパーティによるこうしたサービスについて、自らのコンテンツを不正に商用利用していると見なす可能性がある」ということで議論を呼んだ。これに対し、Googleのサービスは、一見、ブロガが自らの意思でRSSフィードに広告を追加できるという点であたかも問題が無いように見える。でも本当にそうだろうか・・・・?
例えば、ある歌手のファンであるブロガがその歌手についてのブログを多数発信しているとしよう。彼のフィードにはいつもその歌手のCDやコンサートに関する広告が付くことになろう。それをいつも見せられる読者は、ひょっとすると彼(そのブロガ)のことをレコード会社やプロダクションから広告料を貰う“ちょうちん持ちブロガ”と疑うかもしれない。彼は単に一ファンという立場からその歌手のことを話題にしたかっただけかもしれないのに・・・・。ブロガ自身が自らの意思でGoogleRSS広告の契約を結び、それによってお金を得ているとしても、そのような非難を甘んじて受け入れなければならないのか? Feedster・Kanoodle連合のビジネスでは、もっと悲惨だ。お金も貰っていないのに”ちょうちん持ち”にされてしまう。
既存メディアにおけるジャーナリストや評論家は、その主張がぶれない事で世の中から一定の信頼を得られている。右に行ったり左に行ったりするようなコウモリのようなジャーナリストや評論家は信頼を得られない。それに対して、「RSS広告の登場は、ひょっとすると、主張のぶれない信頼すべきブロガを“ちょうちん持ち”と見做してしまうような危険はないのだろうか」などと考えてしまうのはひねくれ過ぎだろうか・・・。