FIT2005

FIT2005に投稿する論文をほぼまとめた。
表題は、Composition of Confrontations in “An e-Japan System”
あらましは以下のとおり。
住民基本台帳ネットワークシステム(以下、住基ネットと略す)は、企業でいえば基幹業務システムの中核ともいえる社員DB に相当するものとして、住民サービス向上、行政事務の効率化、個人情報の保護のための基盤となるe-Japanにおける電子政府・電子自治体構想の中核となるべきシステムである。住基ネットは、48都道府県と3千以上の市町村をネットワーク化するという日本の、いや世界でもまれに見る大規模な情報システムである。規模だけでなく、その成り立ちや構築にあたっての前提条件、制約条件、さらにはサービスが開始される前後のマスコミ等の異常な反応にも象徴的に現れているように社会的な意味でもきわめて特異なシステムである。本稿では、住基ネットという情報システムの計画から開発およびカットオーバー後のサービス運用において散見された様々な問題を、ステークホルダ間での価値観や利害の対立という観点から見つめ直してみるとともに、そこに象徴的に現れてきているe-Japanの課題を社会制度や技術的な立場から考察する。

FITは、情報処理学会や電子情報通信学会が主催する会議である。その中の「社会システム」というセッションに投稿するのだが、ちょっと社会科学サイドに振りすぎているかもしれない。採択されるかどうか、ちょっと心配。