プロジェクトマネジメント教育

PMPという資格教育だけでは真に経営に貢献できるプロジェクトマネジャの育成にはつながらない。これは、私が指揮した住基ネットプロジェクトにおけるいつわらざる感想である。私の部下にもPMPをとらせたし、他社のメンバーにもPMP取得者はいたが、プロジェクトの成功に貢献したのは、様々な経験に裏打ちされた分析力と判断力を持つ人間であった。
プロジェクトマネジメント教育は、単にPMPレベルのプロジェクトマネジャを育てるというよりは、ビジネスという立場からプロジェクト全体あるいはプロジェクトが関与する事業そのものにまで経営的な立場から関与しうる人材を育てることを目的にすべきである。そのためには、単にPMBOKのテキストをベースにした一方通行のチョーク・アンド・トークの講義ではなく、様々な事例に基づくケーススタディを強化すべきであると考えている。
私の担当する同志社大学大学院ビジネス研究科のプロジェクトマネジメントの講義においては、実際のプロジェクトを題材にしたケースや、受講生(大部分は企業におけるプロジェクト経験のある社会人学生)の事例研究をベースにしたディスカッション形式の講義運営を行っている。